家づくりにおいて知っておきたいのが、住んでいる地域の気候と風土です。日本は地域によって気温差が大きいため、気候風土を無視して家を建ててしまうと失敗する恐れがあります。
そこで今回は、久留米市の気候の特徴をまとめてみました。マイホームの計画を立てている方はぜひ参考にしてください。
九州地方は全体的に温暖?
家を建てる前に知っておきたいのがその地域の気候と風土です。九州地方は全体的に暖かい地域なので、冬でも北海道のように寒さが厳しい地域はほとんどありません。
一方で南の太平洋上から吹く湿った空気によって、雨が多く降るのも特徴です。とくに初夏から秋にかけては降水量が多くなるため、雨やカビの対策も必要になるでしょう。
九州地方の気候
九州地方が比較的温暖といわれている理由は、黒潮と対馬海流による影響が大きいといわれています。とくに南西側は亜熱帯気候なので、夏になるとぐんと気温が上がり、高温注意報や熱中症警戒アラートが発表されるケースも少なくありません。
さらに、梅雨時期や台風シーズンには降水量が増え、阿蘇山をはじめとした火山も多いことから、火山災害にも注意が必要です。
久留米市の気候
九州地方といっても地域によって気候変動があるため、すべての地域が温暖というわけではありません。もちろん、ほかの地方に比べると暖かい地域がほとんどですが、なかには冬の寒さが厳しい地域も存在します。
久留米市は、そんな寒暖差の激しい地域です。昨今は温暖化の影響で寒さが弱まっていますが、断熱性能の高い住宅にするなど工夫は必要でしょう。
どんな住宅が適しているのか
梅雨時期になると降水量が増え、夏は暑く、冬は厳しい寒さに見舞われる久留米市は、それぞれの対策を兼ね備えた住宅が最適です。なかでも「断熱性能」は全国的に水準が高まっているので、より意識して建てるようにしましょう。
ここでは、久留米市に適した住宅の特徴を紹介します。
カビ対策を行っている
初夏から秋にかけてとくに降水量が増えるため、雨や湿気の対策が欠かせません。とくに心配なのが「カビ」です。
カビはそのままにしておくとどんどん侵食し、健康被害を引き起こすだけでなく、住宅にも大きな被害を与えます。場合によっては小さな衝撃でも簡単に倒壊してしまう恐れもあるでしょう。
久留米市では、カビ対策の認識が高まっており、家を建てる際も「湿気や結露が溜まらない」ことを重視する方が増えています。
断熱性の高い家
冬の寒さが厳しい久留米市は、断熱性能を意識した家づくりも欠かせません。断熱性能とは、外から室内への熱の移動を遮断する性能のことで、使用する断熱材によって効果はさまざまです。当然、質が高いものほど高断熱性が期待できるでしょう。
また「断熱等性能等級」といって、国土交通省が規定した法律(品確法)も設けられています。現在1~7に分類されていますが、2000年4月までは等級4までしか定められていませんでした。
2022年4月に等級5、同年10月には等級6・7(戸建住宅のみ)が新設され、数字が大きいほど断熱性能も高くなります。北海道では等級5を標準仕様としているハウスメーカーが多く、久留米市でも同等の等級を満たした住宅が増えてきています。
ほかの性能も意識する
もちろん、長く安心して住まう住宅を目指すなら、ほかの性能も意識する必要があります。たとえば、耐久性能・耐震性能・防耐火性能などです。
家族が快適に暮らせるように、24時間換気やシックハウス対策、ユニバーサルデザインといった快適性能も取り入れておくと、より高い住環境が叶うでしょう。火山の影響を防ぐための噴石・噴煙用住宅設備やシロアリ対策も欠かせません。
断熱性能の水準が高まっている理由
日本は、地域によって気候の変動が激しい国です。梅雨や台風シーズンになると豪雨被害に遭う地域もあれば、雨がほとんど降らない地域もあります。夏は厳しい暑さに見舞われ、一方で冬は豪雪・積雪で悩む地域もあるでしょう。
日本のハウスメーカーが、各地域の気候風土を意識して建てられているのはそのためです。とくに昨今は断熱性能の水準も高まっているので、久留米市のように寒暖差が大きい地域は、その変化に対応できるハウスメーカーが好まれやすいでしょう。
脱炭素化を目指して日本住宅性能表示基準を一部改訂
断熱性能の水準が高まっている理由のひとつに「脱炭素化」が挙げられます。2050年の達成に向けて「日本住宅性能表示基準」が一部改訂し、2022年に3つの等級が新設されました。
現在7つの等級に分類されていますが、2025年以降はすべての新築住宅に等級4以上が義務付けられることになっています。さらに、2030年には省エネ基準の水準も引き上げられるため、最低等級が5になる可能性も高いでしょう。
国土を8つにわけた地域区分
各地域の気候条件を考慮して「地域区分」は8つの国土にわけられています。
断熱等級はそれぞれに基準値が設置されており、北海道では標準仕様として「等級5」を、同じく寒さが厳しい久留米市でも同等の等級を設定しているハウスメーカーが増えているでしょう。
まとめ
久留米市の気候の特徴について紹介しました。比較的暖かい地域が多い九州ですが、夏と冬の寒暖差が大きい久留米市では、断熱性能を意識したハウスメーカーが少なくありません。
現在は、2050年の脱炭素化に向けて新設された「3つの断熱等級」によって、住宅の断熱性能の水準も高まりつつあるので、これからマイホームを建てようと考えている方は高性能を重視した家づくりも検討してみてください。